「昨今、企業経営においてもダイバーシティの推進が課題となっており、多様なキャリアや経験、能力などを持った人材を確保するため、社外から登用する企業が増えています。そして、上場企業の女性役員比率の向上が課題となっているいま、特に女性を積極的に登用する動きも加速しています。
そのなかで日本の上場企業では、社会的信用や知名度のある女性有名人たちを巡って社外取締役の奪い合いのような状況が起きています。『なぜ女性アナなのか』と言われると、実際のところは、ネームバリューによる企業価値の向上が大きな理由でしょう。また、民放大手という大企業で育ってきたため、礼節や社会常識も持ち合わせている。世間の評判を落とさないだろうという安心感もあると思います。放送局というコンプライアンスの塊でがんじがらめの生活を送ってきた人たちですから、そういう意味で気配りもできて企業側も選任しやすい人材と言えるでしょう」
テレビ局の顔としてお茶の間の注目を集めていた女性アナのセカンドキャリアは、「フリーアナに転身」という従来よく見られたものだけでなく、新たに“企業の顔”として活躍するケースが今後も増えてくるかもしれない。(了)