1980年代の所得税の最高税率は70%
『ごぶごぶラジオ』によれば、浜田がタモリにギャラを聞くと、「そうだね……3か月分ぐらいかな、ギャラは。あとは全部税金」と答えられたという。
「1980年代、所得税の税率は最高70%の頃もありましたから、タモリさんの言葉は本音だったと思います。1990年代には最高50%になり、2000年代には最高37%まで下がった。2010年代には最高45%まで再び上がっています。売れっ子タレントの中には、皮肉交じりに『国のために働いている』という人もいましたが、あながち間違いではないでしょう」(芸能記者)
当時、日本には高額納税者公示制度があった。毎年5月に前年度分が発表され、芸能人の納税額が話題になっていた。この制度は2004年(2005年発表)まで続いた。
「いわゆる長者番付です。戦争が終わった後、第三者による脱税情報の通報を目的として導入されました。実際、番付の額と実態の差を不審に思った内部告発から、巨額脱税事件が明るみに出る例もありました。もう1つ、高額納税者の社会への貢献度を表す効果もあり、芸能人は長者番付へのランクインがステータスと考えられていました。
たとえば、1978年に矢沢永吉が芸能人部門で1位になった。当時はまだロックというジャンルが老若男女に浸透していたわけではなかった。しかし、長者番付のトップになったことで、高齢者も含めた幅広い世代が矢沢さんの凄さを認知した。世代を超えて、どんな芸能人が今の旬なのかを示す指標の役割も果たしていました。『芸能人イコールお金持ち』というイメージは長者番付があったから生まれたとも言えます」(芸能記者・以下同)