お笑いビッグ3の納税額
日本がバブル景気に沸き、日経平均株価が史上最高値をつけた1989年に、ダウンタウンの2人は『いいとも』レギュラーになった。だが、この年の長者番付に、松本と浜田の名前はまだない。当時のお笑い界はビートたけし、タモリ、明石家さんまの“ビッグ3”が席巻していた。
「この年のお笑いトップの納税額は志村けんで1億123万円でした。『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』(TBS系)や『志村けんのだいじょうぶだぁ』(フジテレビ系)という人気番組を持っていました。志村は芸能人の中で、三田佳子に次いで実質2位。なぜ“実質”かといえば、志村より上にランクインしていた中村歌右衛門や内藤武敏、西村晃は、不動産売却で得た金額が多いと推定されたからです。
志村の額は、歌手1位の森進一の8569万円より上でした。ちなみに、加藤茶は6609万円、ビートたけしは5684万円、明石家さんまは1309万円でした。さんまはこの年に豪邸を購入したので、その影響で納税額が少なかったと思われます。タモリは1723万円でした。『いいとも』以外にも『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)や『今夜は最高!』(日本テレビ系)というレギュラーもありましたから、驚くほど少ない印象です。タモリの1980年代後半の納税額はずっと1000万円台です。『いいとも』のギャラがそこまで高くなかったと推察する人もいます」
ダウンタウンが初めて長者番付に載ったのは1992年(1993年発表)のことだ。『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ系)の番組パーソナリティーを務めた同年の納税額で、俳優・タレント部門の12位に浜田雅功、13位に松本人志が並んだ。
「浜田は6062万円、松本は6051万円とほとんど変わりませんでした。当時はまだコンビでの仕事が多かったので、差が付かなかったのでしょう。この年のタモリは3563万円ですから、一気に抜いていました。“お笑い”に限定して見れば、ダウンタウンより上の納税額は志村けんの1億1061万円、ビートたけしの7924万円、桂三枝の7865万円、とんねるずの石橋貴明の6088万円という4人だけでした」