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ふるさと納税返礼品に「空き家管理サービス」が増加中 相続した実家を自己負担2000円で手入れするという選択

「空き家管理サービス」の問い合わせは増えているという

「空き家管理サービス」の問い合わせは増えているという

 筆者としても、空き家問題は他人事には思えない。福岡県北九州市で生まれ育ち、大学入学と同時に上京した筆者は、そのまま東京で家庭を持った。老親をこちらに呼び寄せるため、住んでいた実家は相続前に売却してもらったが、親が亡くなってから、長年放置されていた父親名義の空き家があることが発覚した。これを処分するため、それまで会ったこともない親戚と何度も話し合い、ゴタゴタの末になんとか処分した経験がある。

 心身共に疲弊する経験だったが、それでも比較的早めに解決できてよかったと感じている。話し合いが決裂でもして、放置期間が長くなっていれば、それこそ「特定空家」「管理不全空家」に指定されていたかもしれない。

月1回の掃除・点検で「空き家っぽく見えなくする」

 調べてみると、我が故郷、北九州市もふるさと納税の返礼品として「空き家管理サービス」を掲げていた。自治体からの委託を受けてサービスを提供する事業者、一般社団法人北九州空き家管理活用協議会の田代旦治理事に話を聞いた。

「ふるさと納税の返礼品としては、1か月コース(ベーシックプラン1か月)から1年コース(同1年)までを用意しています。寄附金額は1か月コースが1万5000円で、1年コースが16万円です。まだ大人気というわけではないのですが、不要不急の外出が制限されたコロナの期間以降は問い合わせが増えています」

 実際の作業は北九州空き家管理活用協議会の会員が2人一組であたる。月に1度、当該の空き家を訪問し、窓を開けて風を通す。また庭や玄関周りなどの清掃を行ない、「ビフォーアフター」を撮影して、ふるさと納税の寄附者に送信する。

「家は放っておくと、数年もすれば住める状態ではなくなります。草は伸び放題で、ひと目で空き家とわかる姿になる。管理の肝は、いかに“空き家っぽく見えなくする”かです。だから目立つ場所の雑草除去などのメンテナンスを丹念に行ないます。月に1度の管理を続けていれば、いつ来ても住める状態を保てます。大切なのは継続すること。実数は多くないのですが、評判は上々です。寄附者のほとんどが、毎年リピーターとなってくれています」(田代氏)

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