好きなアイドルやアーティスト、アニメのキャラクター、スポーツ選手などを応援する“推し活”。同じものを愛する“同好の士”たちと楽しく時を過ごす人も少なくないだろう。一方で“絶対にソロでの推し活がいい”と主張する人もいる。彼らの心理を探った。
とある女性アイドルグループを10年以上推し続けている、都内在住の会社員・Aさん(40代男性)。かつては“オタク仲間”と一緒にコンサートに行き、その後は“反省会”と称してオタク仲間との飲み会などにも参加していたというが、ここ2~3年はもっぱら1人での推し活になっているという。
「同じグループを長く推し続けているからということもあるんですが、オタク仲間と飲んでいると、昔の話ばかりになる。私としては、今のグループの魅力を語り合いたいのに、“あの頃は◯◯だった”とか、“あの現場はすごかった”とか、そんな話ばかりになり、いつしかウンザリしてきたんです。
オタク仲間も年をとって昔話をするのは仕方ないのかもしれないけど、そんなことより今日見たコンサートの話をしたい。挙句の果てに“あの頃は最高だった”“今はつまらなくなった”みたいな話になると、“じゃあ、もう現場に来るなよ!”と言いたくなってくる。仲間の昔話がストレスに感じるようになって、推し活を純粋に楽しめなくなってきたので、完全にソロで推し活をするようになりました」(Aさん)
誰かと推しがかぶるのが嫌で“同担拒否”
ある男性アイドルグループのファンだという都内の会社員・Bさん(30代女性)も、基本的に1人で推し活をしている。
「いわゆる“同担拒否”っていうやつなんですよね。誰かと“推し”がかぶるのが嫌なんです」
“同担拒否”とは、同じ対象を応援する人と交流を持ちたくないという心理を表す言葉だ。ジャニーズのファンの間では、あるメンバーを応援するファンのことをそのメンバーの“担当”と表現し、“同じメンバーの担当を拒否する”ということで“同担拒否”という言葉ができた。