「日本の公的保険制度は世界的に極めてよい制度」
生命保険会社での勤務経験を持つファイナンシャルプランナーの横川由理さんも以前、会社だけが儲かる生命保険の仕組みを知らなかった時代に加入した医療保険を「やめなきゃ」と思いながらもずるずると保険料を払い続けていたという。
「解約するのも面倒だし、“せっかくこれまで払ってきたのに”と思うと、なかなかやめられなかった。ただ、たまたま入院して給付金が出たときに保険会社に連絡する必要が生じたので、“いまだ!”と思ってその後、解約しました」(横川さん)
兵庫県在住のMさん(52才・仮名)はがん特約を付けていたが、がんの種類によっては保障の対象にならないと知り、「これでは、いざというときに役に立たないかも」と思って解約。ついでに死亡保障も半額程度にしたら、毎月の保険料が4万円ほど浮き、生活に余裕ができたと笑顔を見せる。
「万が一のためにつらい思いをして払い続けるより、いまを充実させるためにお金を使う方がずっといいですよね」(Mさん)
がん治療に詳しい医師である北海道がんセンターの西尾正道さんも医療保険には加入していない。
「勤務医として働いてきた経験から、ほとんどの治療は保険診療で対応できると考えているからです。先進特約もありますが、まだ確立していない治療を受けてまで長生きしたいとも思っていません。
むしろ日本の保険制度が、世界的に見ても極めてよい制度であることを皆さんが認識し、健康保険料を納める努力をすることが大切だと思います。がんの医療費を心配するなら早期発見が何よりも大切。ステージIで見つかれば、30万~40万円の局所治療で済みます」
※女性セブン2023年7月20日号