中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

【昔はよかった?】“荒れるツイッター”に脱出試みるユーザー増加も「SNSは荒れるのが当たり前」

かつては本当に「インテリの議論の場」だった

 この時のツイッターって、今では考えられませんが、本当に「インテリの議論の場」だったんですよ。ITやウェブに詳しい人々がそれぞれの専門知識を披露し、意見交換をするような場所でした。今のツイッターは芸能人の下半身事情やら、アニメを含めた趣味関連の話題が語られる場所になっていますが、当時のツイッターの空気感はまったく違ったのです。

 津田大介氏、徳力基彦氏、いしたにまさき氏、コグレマサト氏、百式氏など、ネット界隈の錚々たる人々が、「これはこれから来る!」といった感覚で使い始めていたのです。

 そしてツイッターが注目されるに至った大きなきっかけは、2009年、歌手の広瀬香美さんがツイッターを開始したことにあります。知り合いの勝間和代さんから使い方を学び、そうして使いこなすまでに至る様子を公にし、多くの人々が「あの広瀬さんがツイッターに来てくれた!」と大騒ぎしたのです。

 今ではツイッターは芸能人が使うのは当たり前ですが、当時は水道橋博士さんや広瀬さんぐらいしか使っていなかった。そんな状況ですから、ツイッターは色々とネットリテラシーの高い人々が使う空間でした。その後「バカッター」という言葉が出るようになり、荒れまくる場所になりました。

 さて、今回ツイッター離れが進むかどうかは分かりませんが、スレッズやブルースカイ等に移ったとしても、どうせ人数が増えれば荒れるのはネットの常。あんまり新しいネットのサービスに期待しない方がいいと思いますよ。

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は『捨て去る技術 40代からのセミリタイア』(インターナショナル新書)。

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