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【株式の生前贈与のタイミング】株価は日々変動、急騰局面で贈与すると節税のチャンスも

株の贈与タイミング次第で相続税を抑えることも(イメージ)

株の贈与タイミング次第で相続税を抑えることも(イメージ)

 親が亡くなった際には、相続人となる子らが遺産を相続するが、現預金や不動産の他に「株式」が含まれるケースもある。得する手続きのポイントを知っているか否かで、税金の額に大きな違いが生じることがある。

値上がり期待なら贈与も

 相続での税負担を抑えるには、「株の生前贈与」という選択肢がある。暦年贈与の仕組みを使うと、年110万円までは基礎控除があって贈与税がかからないのは現金でも株でも同じだが、ポイントは贈与税の計算に際しても、「4通りの評価額」から最も安いものが選べることだ。相続・贈与に詳しい税理士・山本宏氏が解説する。

「株の場合、評価額の計算法が『4通り』あります。『【1】被相続人が死亡した日(相続開始日)の終値』『【2】被相続人が死亡した月の終値の平均額』『【3】被相続人が死亡した前月の終値の平均額』『【4】被相続人が死亡した前々月の終値の平均額』の4通り。このなかから『最も評価額が安いもの』を選んでいいのです。最近は証券会社に相続開始日を伝えると4通りの価格を示してくれるので、必ず最も低い評価額で計算しましょう」

贈与する上場株式の評価額は4通り

贈与する上場株式の評価額は4通り

 贈与の場合、「いつやるか」を主体的に決められるので、節税につながる可能性がある(図参照)。山本氏が解説する。

「現在のような株価急上昇局面では、半導体関連などで前々月に比べて倍になっている銘柄もある。たとえば半導体検査装置の大手であるアドバンテストは6月末時点で2万円近い株価ですが、4月の株価は1万円程度でした。

 仮にこのアドバンテスト株を100株(時価200万円)贈与したとします。贈与日の株価で評価すると9万円の贈与税が発生しますが、前々月の株価1万円で計算すると時価100万円で基礎控除の範囲内となって税金はゼロで済む。少し極端な例ですが、急騰局面で株を贈与すると、節税のチャンスがあるということです」

 もちろん、株価は日々変動するので計算通りにいかないリスクは存在するが、税理士法人ベリーベストの代表税理士・岸健一氏は「値上がりが期待できる株を安いうちに贈与しておくという戦略はあり得る」と指摘する。

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