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【注目銘柄】ローランド ディー.ジー.:構造改革の効果発現しつつある高配当銘柄

ローランド ディー.ジー.(6789):市場平均予想(単位:百万円)

ローランド ディー.ジー.(6789):市場平均予想(単位:百万円)

企業概要

 ローランド ディー.ジー.(6789)は、業務用インクジェットプリンターなどのデジタル機器メーカー。大型インクジェットプリンターをはじめ、切削機、彫刻機、3Dプリンター、歯科用ミリングマシン、カッティングマシンなどのデジタル機器を製造販売しています。

 創業は1981年で、電子楽器メーカーローランドの関連会社として設立したAMDEKを前身とします。設立時は、コンピュータミュージック用機器などの製造販売を事業内容としていました。

 それが、現在のような多彩な製品ポートフォリオとなったのは、活用する技術が確立されたからです。

 同社は1982年に、コンピュータミュージック機(パソコンとつないで作曲や演奏ができる)とペンプロッタ(パソコンとつないで楽譜を出力できる)を同時発売しました。このペンプロッタこそが現在の同社のルーツとなります。

 ペンプロッタは、ペンをX軸とY軸に動かすことによって楽譜や設計のデザインを描きます。これを楽譜用から設計・製図分野に応用展開。またペンの代わりにカッターを持たせることによってカッティングマシンが誕生。さらにインクジェットヘッドを搭載することでカラープリンターへ進化。

 その後もZ軸(高さ)を加えドリルを持たせることにより、三次元の切削加工機が誕生しました。大型インクジェットプリンターも、X軸Y軸の動きにプリンターのヘッドをつけることによって生み出されるなど、同社は独自のデジタル技術を、社会の変化やニーズに合わせて応用することで製品分野を拡大していきました。

注目ポイント

 同社のサイン(広告看板)市場向けの業務用大型インクジェットプリンターは、グローバルトップブランドとして知られます。

 特にプリンター市場では、耐候性や耐水性に優れた低溶剤インクを使って、塩化ビニールシートやターポリンなどに印刷する低溶剤インクジェットプリンターで世界30%のトップシェアを獲得しています。また1台で、印刷と同時にイラストや文字などの輪郭を切り抜くことができる「Print&Cut」技術の先駆者であり、現在でも世界トップシェアを獲得しています。

 さらに近年では、幅広い用途での印刷に対応するUV-LEDプリンターや、布地への印刷に特化した昇華転写方式のプリンターなど、ランナップを拡充し、他社との差別化を進めています。

 業績は好調。2022年12月期は世界的な需要回復と拡大を受け、大幅伸長となりました。円安による効果を除いても過去最高売上を達成し、今期も過去最高売上を達成する見通しです。財務状況も健全で、自己資本比率は68.4%、有利子負債が約10億円ありますが、手元に110億円を超える現金があり、実質無借金状態です。引き続きキャッシュリッチで健全な財務内容が維持されています。

【プロフィール】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

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