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【注目銘柄】CAC Holdings:好ファンダメンタル・健全財務・高配当利回りのDX企業

CAC Holdings(4725):市場平均予想(単位:百万円)

CAC Holdings(4725):市場平均予想(単位:百万円)

企業概要

 CAC Holdings(4725)は、ITコンサルティングサービス企業。国内外で19のグループ会社を擁す持ち株会社で、子会社を通してシステム構築サービスやシステム運用管理サービス、保守サービスなどを展開しています。

 顧客はあらゆる業界に渡っており、特に強みを持つ金融業界が31%の売上構成比を占めるほかは、製薬18%、製造17%、情報通信14%、サービス他21%とバランスの取れた顧客基盤となっています。

 展開する事業セグメントは、【1】国内子会社におけるシステム構築サービス・システム運用管理サービス・人事BPOなどを提供する「国内IT事業(2022年12月期売上構成比76%)」、【2】海外子会社におけるシステム構築サービス・システム運用管理サービス・保守サービスなどの「海外IT事業(同24%)」の2つで構成されます。

 国内IT事業では、プライムコントラクタ(元請け、一次請け)率が90%と高く、粗利益率が25%と高いのが特徴。独立系SIerのパイオニアとして、早くから優良な顧客基盤を構築してきたことが勝因となっているようです。

 ここ数年は、選択と集中による事業構造の改革も推し進めています。同社が経営資源を集中させることを決めたのは、コアビジネスであるIT事業のDX。2021年6月にCRO(医薬品開発支援)事業を譲渡(売却価格は30億円)したことで、IT事業に本腰を入れる準備が整ったというところです。

 DXは、例えば(同社が最も強みを持つとされる業界ということで)金融業界で見ると、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の活用や基幹システムのクラウド化、AI-OCRによる紙帳票デジタル化といった業務のデジタル化や、決済手段の多様化や保険会社によるモバイルを活用した顧客とのコミュニケーション強化、証券会社でのロボアドバイザーによる金融アドバイスといった顧客体験の向上に向けたデジタル化も、大きな潮流となっています。

 金融DXに対し同社では、主にブロックチェーン技術を活用したサービス開発を行っています。

 実用化に至った代表的な製品には、企業間取引での利用に特化したブロックチェーンプラットフォーム「Corda(コルダ)」を活用した国内初の商用システム「BCPostTrade」があります。これは従来電話やメールなど手作業で行っていた外国為替取引における確認情報をブロックチェーン等で行うシステムで、2020年4月にSBIグループの外国為替取引事業会社SBIリクイディティ・マーケットが導入・運用しています。

注目ポイント

 2022年7月に、準天頂衛星システム「みちびき」を利用した「みちびき×ブロックチェーンを用いた配達員保険システム」の実証実験が行われました。

 2022年7月には経済産業省「DX認定事業者」に認定されており、ブランド力向上や融資などの支援が受けやすくなること、またDX投資促進税制による税額控除や「DX銘柄」への応募資格が得られると言ったメリットを享受できるようになりました。

 ここで、今後中長期的に同社の成長において注目されるのが「感情認識AI」です。

 同社には「HCTech(エイチ・シー・テック):Human Centered Technologyの略称」という新しい概念があります。中心となる技術はAIで、顔認識、物体検知、感情認識、心拍測定、異常検知、姿勢・動作推定、時系列データ解析といった技術で構成されています。

 実際、このHCTechは、作業ミス・異常の検知や稼働状況や生産状況の進捗把握、熟練者の動作順やタイミングのマニュアル化といったスマート工場化を支援するソリューション、また健康スクリーニングや入院者の転倒などの異常検知、脈波モニタリングによる従業員の健康チェック、感情認識による自閉症患者サポートといった医療・介護のICT活用などに使われています。コロナ禍では体表温測定ソリューションが需要を引き寄せ、また最近では2022年7月にベネッセの「子供向け英語オンラインレッスン」に採用されています。

 こうしたDXソリューションの成長により、IT事業売上高に占めるデジタル案件比率は2019年度の22%→2020年度にはコロナ禍でのデジタル需要により36%に拡大し、2021年度には47%を占めるまでに拡大しました。

【プロフィール】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

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