「霧馬山」グッズの在庫処理も。売れ行きは「朝乃山」の独り勝ち
館内にはここまで見てきたような民間業者の相撲グッズ売り場のほかに、オリジナルグッズを若手親方たちが企画・販売、レジ係まで担当する相撲協会の直営店「親方売店すも~る名古屋支店」がある。
力士の肖像権は相撲協会にあるため、四股名と顔写真をフルに使った商品を企画・販売している。ボールペンや応援うちわ、キーホルダー、ハンカチ、ステッカーなどもあるが、やはり売れ行きナンバー1は力士のイラスト入りのタオルだという。
関取全員の力士タオルがあるわけではなく、横綱、大関に加えて遠藤や宇良などの人気力士に限られている。先場所まで21種類が販売されていたが、今場所は明生や錦富士など3種類が追加販売され、そこに新大関・霧島のタオルも含まれている。
つまり、民間業者の相撲グッズ売り場にはなかった「霧島」のタオルが直営店のほうでは並んでいる状態となっている。さらに、そのすぐ下には同系色の「霧馬山」のタオルも置かれ、〈残りわずか〉と謳われている。廃番商品で希少価値はあるのかもしれないが、ちゃっかりとした“在庫処理”とも言えそうだ。他に応援うちわも「霧島」の横に「霧馬山」と2種類が置かれており、〈在庫僅か、売切御免〉の謳い文句が添えられている。
ただ、「霧馬山」の商品も「霧島」の商品も極端に数が減っている様子はなく、「売れ筋ナンバー1は朝乃山のグッズ。中日で完売する勢い」(店頭のアルバイト)ということだった。実際、4日目から途中出場した霧島の取り組みで「霧島」の応援タオルを掲げるファンは見当たらなかった。
4日目から横綱・照ノ富士が休場となり、横綱・大関の全滅危機を救ったのが霧島の途中出場だったが、グッズの売り上げは芳しくないようだ。前出の売り場担当者はこう言う。
「今場所は3関脇によるトリプル昇進があり得るということで、豊昇龍、大栄翔、若元春のグッズを大量に仕入れたものの、若元春が売れているぐらいで他の2関脇はそうでもない。照ノ富士も貴景勝も山積みのまま。当てが外れた感じです。応援タオルは朝乃山の独り勝ちで、どの売り場も売り切れ状態です」
グッズの売れ行きは力士の人気度を測るバロメーターにもなるが、それが土俵上での活躍につながることになるのか。千秋楽まで注目の土俵が続く。(了)