米国大統領選でドナルド・トランプ氏が勝利し、10年間で6兆ドル規模の大規模減税や、同じく10年間で1兆ドル規模のインフラ投資による財政政策、金融機関への規制緩和など経済政策に期待が高まる中で、債券から株式への資金の大転換、いわゆるビッグローテーション(グレートローテーション)が起こっている。米国主要株価指数は史上最高値を更新し、米国債券市場は急落、債券利回りは急騰した。
この流れは日本の株式市場にも追い風となっている。米国長期金利の上昇は日米金利差を拡大させ、円安をもたらしている。また、日本では日銀の異次元の金融緩和による、年間約80兆円規模の国債買い入れ、6兆円のETF(上場投資信託)買い入れ、そしてイールドカーブコントロールの導入と金融政策が講じられてもおり、強い地合いが続いている。
現在は日経平均で言えば、50日移動平均線が200日移動平均線を上に突き抜ける「ゴールデンクロス」が発生している。これは数年に一度の事象であり、過去の値動きを見ると、ゴールデンクロスが発生した場合、上昇相場は長期間続いている。つまり、今の日本株は大相場に発展する可能性がある局面に来ているのだ。
むろん、期待通りに大相場に発展せず、予想に反して調整する可能性も十分ある。いわゆる「ダマシ」と言われるものだが、そうなった場合、例えば期待されているトランプ氏の政策が予想外に規模の小さいものであったり、50日移動平均線が200日移動平均線を下に突き抜ける「デッドクロス」が確認できたところで撤退する投資戦略が考えられる。