吉田みく「誰にだって言い分があります」

【ランチ代節約の波紋】夫のために毎日弁当を作る主婦に突き刺さる友人の言葉「彼の部下が見たらどう思う?」

「ランチで付き合いが深まることもある」との指摘は正論かもしれないが…(イメージ)

「ランチで付き合いが深まることもある」との指摘は正論かもしれないが…(イメージ)

「夫の弁当作り」を褒めてもらえなかった

 弁当持参だと昼食をオフィス内で食べなくてはいけないので、気分転換にならないというデメリットはあるものの、夫は昼食代が浮いた分で趣味のゲームソフトを購入することができた。そのことを夫は大変喜んでおり、ユキさんとしても満足していたのだが、久しぶりに会った学生時代の友人たちにその話をすると、意外な言葉を返されてしまったという。

「コロナ禍でなかなか会えなかった学生時代の友人たちとランチで集まった時、毎日夫のために弁当を作っていることを話しました。私としては、『すごいね』『偉いね』などと褒められるかなと思ったのですが、『毎日オフィスで弁当持参している上司の姿見たら……部下たちがこの会社には夢も希望もないって思うんじゃない?』と言われてしまったんです」

 集まった3人のうち2人から“口撃”を受けたユキさん。「ランチで付き合いが深まることもあるよね」「高いって言ったって1食1000円くらいでしょ? 今きつかったらこの先どうなっちゃうの?」などの言葉はユキさんの心にグサグサと刺さった。

「一番つらかったのは、『出世してる男性ってランチ代くらい気にしてないと思う』でした。そりゃあ、友人たちはいわゆるバリキャリ女子ですから、職場で仕事のできる男性たちを毎日のように見ており目が肥えています。言っていることも的外れだとは思いません。

 ですが私の夫は残業ほぼゼロののんびりとした職場で働くのが向いているタイプで、出世とは縁遠い立場なんです。『直属の上司が弁当持参してたら引く』と言われた時は、私たち夫婦の考えを否定された気分でした……」

 その日のランチ会も1人3000円と決して安くはない金額だった。ユキさんはこの日のために1か月も前から節約してきたという。一方、バリキャリ女子である友人たちは気にする様子もなく……。格差を見せつけられた気がして、絶望を感じたそうだ。

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