お墓参りに行く習慣が薄れている――。株式会社プラネットが7月に発表した「お墓参りに関する意識調査」によると、「お墓参りに行く習慣はない」と回答した人は36%。3人に1人以上、お墓参りの習慣がないことになる。さらに、お墓があってもお墓参りに行っていない人を対象に、今後お墓参りに行く可能性があるかを聞いたところ、半数以上の52.5%が「可能性はない」と回答している。なぜお墓参りしなくなったのか、したくないのか。“お墓参り離れ”した人たちに聞いた。
お墓参りどころか、帰省さえも億劫に
関東在住でIT企業に勤める40代女性・Aさんは、ここ10年ほど実家と義実家のお墓参りに行っていないという。金銭的な負担が大きな理由だ。
「私の実家は東北。夫は九州で、交通手段として飛行機や新幹線を利用することになるので、時間はもとより、費用がかなりかかる。さらに現地でのタクシー代もかかります。日帰りも難しく、家族4人で行くとなると、一度に交通費だけで数十万円がかかってしまう。お墓参りに行くにも、正直金銭的に厳しいのが本音です。お墓が自宅近くにあれば、いいんですけど」(Aさん)
Aさんにとって、土地のしがらみも足が遠のいている要因になっているそうだ。
「檀家になっているお寺との付き合いはもとより、かかわりの深い親類が周囲に多く住んでいるので、都会のドライな関係に慣れてしまうと、そうした濃厚な付き合いが面倒に感じてしまう。お墓参りどころか、帰省さえも億劫です。
ただ、いまのところは親戚に甘えていられますが、親戚も高齢なのでいつまで頼れるか……。とはいえ、自分がお墓を守るのも非現実的。お墓を移すことも考えなくてはいけないんでしょうけど、手続きが面倒そう。もはやお墓はすべてバーチャルにしてほしいです。最近ありますよね、そういうバーチャル墓参りサービスも」(Aさん)