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【ソシオネクスト、プログリット、Abalance】株価急騰後に暴落した3銘柄から考える“天井掴み”を避ける「3つのルール」

【3】約6倍になった後、乱高下するAbalance(3856)

 最後に、Abalance(3856)について触れておきたい。同社は太陽光発電事業の企業だ。しかし、創業時はソフト開発を行っていて、その後、業態変更をして現在に至っている。そうした経緯も踏まえて、ソフト開発事業が主流だった際の収益規模と大きく乖離したものになる可能性を考えておく必要がある。

 同社の業績を見る限り、それが過去の決算内容と比較して「上ぶれ」として出たと考えている。ソフト開発会社でモノを売る時に得る収益と、太陽光発電事業でモノを売る時に出る収益の規模が大きく乖離するということは、対前年度業績において大きな成長を遂げていたとしても、業績の判断がしづらいということだ。また、昨今の太陽光発電事業の不安定さも話題になっていることから、監視銘柄リストとしては入れていなかった。

 同社の株価は、年初の2392円から上昇し、4月には1万3370円を付けたが、その後、同月内にほぼ半値の6930円にまで下落した。その後も高値をつけたあと急落するなど、乱高下を繰り返している。

銘柄選びはファンダメンタルズを重視する

 相場は常に流動的で、その値動きを見ているとついエントリーしたくなるものだ。しかし、銘柄選定においては常にファンダメンタルズを重視するべきだろう。私が監視銘柄を決定するにあたって注目しているのは、以下の3点だ。

【1】世界経済の状況
【2】日本経済の状況
【3】セクターの絞り込みと銘柄選定

 まず、「【1】世界経済の状況」について。特に米国経済の状況や、米国の金利、ドル円の方向性、原油価格は必須で抑えておきたい。これによって日本の相場の大きな方向性が決定すると言っても過言ではないからだ。また、ロシア情勢の動きは直接的にエネルギー価格に反映される。こちらの動きも見逃せない。

 次の「【2】日本経済の状況」は、米国と連動する状況なのか、もしくは必ずしもそうではない状況なのかを判断する。

「【3】セクターの絞り込みと銘柄選定」では、どのセクターが強くて、そのセクターが弱いのかを見極める。最近は日本相場が弱気局面に入ったと分析する人もいるが、その中でも強いセクターはある。例えば、原油関連銘柄。きっかけはロシアで起きたクーデターだ。戦争が激化すればエネルギー価格の上昇は避けられない。私はクーデターが起きた瞬間に「今より安くはなりづらい」と考えて原油関連銘柄に投資した。そして、その後のニュースから急騰が続くかどうかは判断できなかったため、短期投資で利益確定をした。

 たとえば、これまでの日経平均が円安によって上昇していたと分析しているのであれば、もし今後、円高に動く局面が来るとしたら、どのセクターが割に合わなくなるか、などと仮説を立てていく。そして、セクターが絞り込めれば個別銘柄選定と進んでいく。

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