節約術やお金のやりくりについて発信する「おひとりさま節約家」の紫苑さんと、節約アドバイザーの丸山晴美さん。2人の共通点は、「優雅でおしゃれな暮らしぶり」がたびたび雑誌のグラビアページで取り上げられること。素敵な暮らしとお金が貯まる生活を両立させる2人に「ドケチ」とは正反対の「しみったれない節約術」を語り尽くしてもらった。【節約対談・前後編の前編。後編を読む】
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紫苑:お目にかかるの、はじめてですよね。でも私、節約特集では丸山さんの記事をよく拝見してます。同じ雑誌に同時に載っていることもあり、光栄です。
丸山:え! 私もすごくうれしいです。だけど、節約していることを周囲に言うと、「ケチってこと?」「がまんばっかりしてるの?」なんて好奇の目で見られたりしませんか? メディアに出たばかりの頃は、それが本当にイヤで……(苦笑)。
紫苑:ケチと節約は、ぜんぜん違うのにね(笑い)。だけど私も「どれだけ切り詰めてるの?」と聞かれることはしょっちゅう。でもそういうことを言う人たちが持っている節約のイメージって「2枚組みのティッシュをはがして1枚ずつ使う」とか「トイレットペーパーは1回につき何cmまでしか使わない」とか、やっても1円どころか50銭だって得しない方法だったりするのよね。
丸山:わかります! 節約はむしろお金をしっかり使えるように、脳をフル回転させてムダを省く、知的な行為なんです。
紫苑:その通り。何にいくら使ってどう生きるかを考えるのは、自分を主人公にして人生をコントロールするこのうえなくクリエーティブな遊びだと思います。
テレビと保険をやめたら月5万円で生活できる
丸山:そもそも勘違いしている人が多いのは、洗剤を水で薄めるとか、使い終わったペットボトルの空き容器を再利用するとか、「何かする」ことを節約だと思っていることです。だけど本当は反対で……。
紫苑:「何をやらないか」を決めることが重要なのよね。だから私はテレビも見ないし保険も入っていないし、やらないことだらけ。
丸山:それはすごい! 最近はテレビ自体、家に置かないという人も多いですが、紫苑さんも?
紫苑:いえ、実は少し前に壊れちゃったのを直さずにそのままにしているの(笑い)。でも余計な情報が入らなくなって快適そのもの。バラエティー番組とかグルメ番組を見ていると、特に欲しくないもの、食べたくないものでも何となく「買わなきゃ」と思ってその都度失敗してきたから、ちょうどいいと思って。