丸山:そうなんです(笑い)。家って高い買い物だからこそ、その人の価値観やライフスタイルによって「いい家」の定義が何なのかはかなり変わってくると思う。紫苑さんは何を基準に、いまのおうちを選んだんですか?
紫苑:私はもう、値段一択。ずっと公団住宅に住んでいたのですが、家賃に加えて固定費や生活費を含めると月に30万円かかっていた。なのに50代後半から少しずつ貯金が目減りしてきて、仕事もフリーランスだから今後どうなるんだろう?と不安で夜も眠れなくなって。
家賃がかからない、終の住処が持てたら安心できると思って築40年、10坪あまりの中古の一軒家を思い切って2000万円で一括購入しました。近所を散歩したときにたまたま売りに出していた家だったんです。
ほかの人から見れば古くて狭い家かもしれないけれど、私にとっては最高のマイホーム。知人の画家からもらった絵を飾ったり、模様替えをしてみたりと、いまあるものでいろいろ工夫して、居心地のいい場所を作っています。
70才からでも「節約術」は身につく
丸山:自分で自分の住む場所を作るのって、すごく創造的。お財布と相談して自分はどんな生活をしたいかを考えるのは、節約生活を成功させるための大きなカギだと思います。逆にいうと家計のアドバイスをしていても思うのが「貯まらない」家は、「お財布と相談」つまり「お金と向き合う」ができていない。
紫苑:私はもともと浪費家だったから、耳が痛いです(苦笑)。