自動販売機では150円でもスーパーに行けば120円、逆にホテルの中では200円――。ドリンク類やスナック菓子など、買う場所で価格が変わるのはよくあることだが、「絶対にどこで買っても価格が同じ」ものがたばこ。価格が全国一律であることに、「言われてみれば不思議だ」と、あらためて驚きや疑問を抱く人たちもいる。
メーカーに勤める20代男性・Aさんは、食料品や家電などと違い、たばこが安売りされないことに疑問を感じていたことを明かす。
「これまであまり考えたことはなかったのですが、物価高であらゆるものが高くなってから、これまでよりも割引やセールに敏感になりました。でもたばこは値引きされているのを見たことがありません。嗜好品の代表格であるお酒は格安店など割引をするお店もあるのに、なんでたばこはないのでしょう」(Aさん)
Aさんは「割引やセールはないけど、それは必ずしも悪いことではない」とも続ける。購入する場所を選ぶ必要がないからだ。
「割引やセールがないなら、いつどこで買っても同じ。安く売っているお店を探す手間がないのは楽ですし、自分が買ったあとにさらに安く売られているのを見て悔しがることもない。その意味ではいいですよね」(Aさん)
IT企業に勤務する30代男性・Bさんは、旅行が趣味。旅先でのエピソードを話す。
「旅館やホテルの中では自販機のお酒の価格が基本高い。富士山頂の自販機はコーラが500円くらいします。富士山は『運ぶのが大変だからな~』と納得できても、近くのコンビニで300円ぐらいで売っているものが、ホテルの中に入った瞬間に500円になるというのはすごいですよね。まあ、飲食店でドリンクを頼むのようなものだとは思っていますが……。
そのなかで、たばこはどこでも価格が一緒というのはすごいと思います。山奥のたばこの自販機やたばこ店でも上乗せはなく、都会で買うのと同じ値段ですからね。ありがたいです」(Bさん)