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岸田政権「年収の壁」対策に助成金新設で新たに「70万円の壁」出現か 厚生年金適用拡大で“第3号被保険者の切り崩し”に躍起

その場しのぎばかりの政府

 厚生年金の適用拡大によって短期的には保険料を払う人が増えるので年金財政が潤うかもしれないが、長期的にどこまで意味があるのかも疑問だと北村氏は続ける。

「適用拡大によって被保険者となった人たちが年金を受け取るようになる頃には、それを支える現役世代の人数が減っているので、短期的に回復しても、長期的に見れば年金財政が改善するとは考えにくい。

 このように、年金改正はその場しのぎばかりなんです。今がよければすべてよしで、先の話は知らないというようにしか見えない。そもそも、国民が長い人生の先に受け取る年金というものの制度が、こんなにコロコロ変わることがおかしい。制度を複雑にするだけで、シンプルにするということをやらない。そうした流れのなかで、今度は第3号被保険者を切り崩していくということでしょうね。結局、岸田政権は厚労省や財務省の言いなりなのでしょう。役所と対峙して抜本的な改革をしようという気概がない」

 助成金という“アメ”にばかり目を向けていてはいけないのだ。(了)

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