株主優待は3カテゴリーが人気
このほか、初心者向きの投資スタイルとして「株主優待狙い」がある。岡山氏が言う。
「株主優待は企業が株主に商品やサービスなどの優待品を贈る制度。配当とは別にリターンが得られるためお得感があり、株投資の楽しみの一つとして個人投資家から支持されています」
なかでも人気を集めるのが、「旅行・乗り物系」「外食系」「買い物系」の3カテゴリーだ。
「JR東日本やJR西日本、ANAHDをはじめとする乗り物系は乗車・搭乗優待のほか、系列のホテル、レジャー施設などで利用可能な特典を提供する企業もあります。レジャー好きの人には魅力的な投資先と言えるでしょう」(岡山氏)
インバウンドや国内旅行需要の回復が顕著になるなか、今後、旅行・乗り物系銘柄は株価上昇の可能性も期待できる。
外食系では日本マクドナルドHDやゼンショーHDなど全国にチェーン展開する大手企業が並ぶ。
「業界最大手のゼンショーHDは牛丼の『すき家』だけでなく、グループの『ココス』や『はま寿司』『ロッテリア』などで使える食事優待券がもらえるのが魅力です。バリエーションが豊かなので、優待を使う際の店選びも楽しみの一つになるでしょう」(平野氏)
買い物好きな人向けには、ドラッグストア大手のマツキヨココカラ&カンパニーやしまむら、イオンなどの銘柄が挙げられた。
「買い物のたびに3~10%引きになるカードを提供する企業もあり、節約家には狙い目です。優待目的に限らず、初めての銘柄選びは、日頃から使う商品やサービス、お店などを基準にすると株に親しみやすくなります。また商品の売れ行きや業績など、投資判断に欠かせない情報が得られやすいといったメリットもあるでしょう」(平野氏)
具体的な銘柄については、別掲表に示したので参考にしてほしい。自身の特性を知り、株投資の目的を明確に持つことが重要と言えそうだ。
※週刊ポスト2023年8月18・25日号