新NISAで高配当株の選び方
非課税期間が無期限の新NISA枠では、長期で高配当利回りになる銘柄を選ぶのがよいでしょう。“長期で”というのがポイントで、今の利回りのみで選ばないことです。というのも、昨今の高配当株人気で、高配当株の株価は上昇基調にあります。実力以上に株価が上がってしまえば、その後下落するリスクが高くなります。
そこで、今の配当利回りは高配当と言えなくとも、長期で保有することで配当利回りが10%を超えるような銘柄を選ぶのが正解です。
長期で高配当利回りになる銘柄の特徴
配当の原資は純利益ですから、企業そのものが緩やかに成長しているかどうかを見極めたい。売上が拡大することでストック収入が自動的に増えるようなビジネスを行なっている企業は有望です。
また、長期保有の途中で、配当金が出せない状況になると配当株投資の意味がなくなりますので、不景気であっても配当が出せるくらい財務が安定していることも重要です。現金を貯め込みすぎて、成長しないのは困りますのでその塩梅が難しいところですが、自己資本比率が50%程度あれば問題ないと思います。過去、継続的に配当を出しているか、増配しているかも確認しましょう。
実際にこの15年で配当利回りが17.5%になった銘柄を紹介します。継続的に通信料をストック収入として得られるKDDIです。2008年の株価は770円、配当金は18円でしたので、配当利回りは2.3%です。当時から株を保有していれば、2023年の配当金は135円ですので、配当利回りは17.5%(配当135円÷購入時の株価770円×100)になります。こういった長期で成長し増配する銘柄は、情報通信やサービスセクターに多いという過去データがありますので、参考にしてください。
長期で高配当を狙うので、基本的には途中で頻繁に売買しないことが前提です。となれば、少ない銘柄への集中投資はリスクが一段と高くなります。その銘柄になんらかの暴落が起きたときは、精神的な凹みも深くなります。できれば10銘柄以上に分散することをおすすめします。
銘柄選びに自信がない人は、高配当株に分散投資してくれるETF(上場投資信託)を利用する手もあります。たとえば、日経平均株価の構成銘柄のうち、予想配当利回りの高い原則50銘柄で構成されている指数に連動する「NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信」(1489)。信託報酬は年率0.308%(税込)、分配金は年4回、8月上旬時点の価格は一口5万3000円程度。分配金の利回りは、4%程度です。銘柄選びに時間と労力をかけたくない人は、ETFにお任せしてもよいですね。