若い世代を中心に急速に使われるようになった「蛙化現象(かえるかげんしょう)」という言葉。好意を持っていた相手と両思いであるとわかった途端、急速に冷めてしまい、相手を「気持ち悪い」と感じてしまう現象を指す(由来はグリム童話の『カエルの王様』)。
少し前に、ネット上を中心にこの言葉がトレンドとなったが、言葉の流行の移り変わりは早いもの。最近では女子高生たちのSNSでは「蛇化現象(へびかげんしょう)」という言葉が流行しているという。いったい「蛇化」とは何を指すのか。
若者トレンドを調査するマーケティング会社に勤務する女性・Aさん(20代)が説明する。
「蛇化現象とは、相手のことが好きすぎる、相手に嫌われたくないという気持ちから、ネガティブな要素まですべて受け入れてしまうことを指す言葉です。“蛇は獲物を丸呑みする”というイメージから生まれた言葉ですね。たとえば女子中高生であれば、『すきぴ(※好きな人を指す)になら、何をされても許してしまう』という感じで使われます。ただ、なかには嫌なことをされても拒否できない、仕方なく許してしまうというネガティブな意味でも使われる。たとえばお金のトラブルや浮気などがあっても、相手から離れられない状況。
“蛙化”が相手に冷めてしまい、恋愛感情が失われてしまうことを意味する一方で、“蛇化”は恋愛の泥沼にハマってしまう重たいイメージ。『病み系』や『ぴえん系』などにも通じる流行語です」(Aさん)
「揉めたくない」から飲み込んでしまう…
実際にこの言葉を使っている若い世代は、この言葉についてどう受け止めているのか。都内の私立大学に通う女子大生Bさん(20歳)とCさん(19歳)に話を聞いた。
「蛇化は大学でも話題です。ゼミの友達と集まると、いつも恋愛トークをするのですが、最近ではまったく蛙化の話題は出なくて、蛇化の話ばかりです。たとえば『彼氏が絶対に浮気してる気がするけど、ガマンしちゃうんだよね。マジで蛇化してる』、『彼氏に嫌われたくないから、相手の好みに無理やり合わせちゃうのって蛇化だよね?』とか、そういう感じで使いますね。実際に、拒否できないとか、全部受け止めようとしちゃう、自分の病んでるモードについて相談をされることが多いです(笑)」(Bさん)