TikTokやYouTubeショートなどの短尺動画を中心に、Z世代の若者たちのあいだで流行語している「なぁぜなぁぜ?」動画。「JC・JK流行語大賞2023上半期」のコトバ部門で第2位に選ばれ、幅広い世代のインフルエンサーがこの言葉を取り入れたネタ動画を投稿中だ。
「なぁぜなぁぜ?」動画は、“あるある”と共感を呼ぶような疑問を投げかける際に使われる。たとえば、「生徒が遅刻すると先生は怒るのに、自分が遅刻した時は何も謝らないの、なぁぜなぁぜ?」「前髪がキレイに作れた日に限って、すきぴ(※好きな人)が気づいてくれないのはなぁぜなぁぜ?」といったかたちで使われる。
なぜこの言葉が若い世代に受け入れられているのか。SNSのインフルエンサーとZ世代の若者たちに話を聞いた。
「うざカワイイ」と「おもしろ」の両立
インスタグラムで2万人強のフォロワーがいる女子学生・Aさん(18歳)は、この言葉がバズるのには明確な理由があると考察する。
「いままでの流行語と『なぁぜなぁぜ?』の一番の違いは、後者に“うざカワイイ”感じがあること。そして、皮肉や本音を言うことができることです。みんなが思っている疑問やイライラに直接的に文句を言うんじゃなくて、“うざカワイイ”雰囲気で伝えることで、“おもしろ”要素も感じさせることができるのが魅力だと思います。
TikTokもインスタグラムも、これまでは『かわいい』と『おもしろい』が切り離されていた感じがするのですが、『なぁぜなぁぜ?』は、おもしろコンテンツ作りが苦手な女子でも、『うざ』の要素を入れることで、『かわいいしおもしろい』を両立させられることがポイント。さらに皮肉が効いたことを言えるので、悪口になりそうなギリギリのネタも投稿できて、共感を生んでいるんだと思います」(Aさん)
TikTokが流行しはじめた当初から動画投稿をしているという女子学生・Bさん(19歳)は、「なぁぜなぁぜ?」について、こう語る。
「TikTokではユーザーが真似したくなる共感系コンテンツで、かつ投稿ハードルが低いものがバズりやすい。『なぁぜなぁぜ?』というフレーズは、何か疑問に思っていることを述べればよいだけなので、動画投稿のハードルが低いんです。クリエイティビティがいらない。誰でも簡単に真似できるし、『なぁぜなぁぜ?』という音の感じが、絶妙に視聴者をイラッとさせるところも新しいですよね(笑)。
このイラッとさせるというキーフレーズはこれまでなかった要素だと思います。実際にいろいろなジャンルの人のあいだで流行っていますよ。キャバ嬢さん、2次元アニメオタク系、おしゃれ系女子まで、ジャンルを問わずに使えるところも『なぁぜなぁぜ?』の面白さです」(Bさん)