喫煙可の店でも「タバコが吸いにくくなった」
2020年4月に、屋内の飲食店などについて原則禁煙とする改正健康増進法が施行され、禁煙化や分煙化に移行した喫茶店も少なくない。しかし、そんななかでも今なお「喫煙可」のスタイルを続ける喫茶店もある。
都内の出版社に勤務するBさん(40代男性)は、会社の近所にある「全席喫煙可」の喫茶店を打ち合わせの場所として頻繁に利用していたという。
「私自身が喫煙者なのですが、仕事相手にも喫煙者が多かったこともあり、喫煙可能な近所の喫茶店をよく使っていたんです。そこは基本的にタバコを吸うお客さんが通っているお店で、気兼ねなくタバコが吸えるのが最大の利点でした」
しかし、昨今の喫茶店ブームによって、タバコを吸わない客も増えてきた。
「全席喫煙可のお店とはいえ、自分たちがタバコを吸っていると、隣のお客さんが露骨に嫌な顔をすることがあって……。タバコが嫌なら禁煙の喫茶店に行ってくれとも思うけど、さすがにそんなことも言えないし、こっちが気まずくなるばかり。
結局、喫煙ブースのある喫茶店に行っています。店長さんに話を聞いたら、禁煙に移行する喫茶店も多いので、喫煙できる喫茶店はむしろ繁盛しているとのこと。周りを気にせずタバコが吸える喫茶店は、やっぱり残してほしいですね。“喫”茶店ですし」(Bさん)
オリコンNEXTコミュニケーションズが8月2日に公開した「飲食店における喫煙・禁煙環境に関する意識調査」によると、2020年4月の改正健康増進法施行を機に、「喫煙環境あり」から「喫煙環境なし」に移行したカフェ・喫茶店が18.5%あった。一方で、「喫煙環境あり」のカフェ・喫茶店は、改正健康増進法以前に比べ、28.5%の店舗が売上が上がったという。