贈り物に、フリマアプリの利用は「アリ」なのか──メルカリ総合研究所が2022年12月に発表した「フリマアプリとプレゼントに関する意識の調査」(20~59歳の日本在住者男女1032人を対象)によると、フリマアプリで購入した物をプレゼントしたことがある人は9.9%で、まだその比率はそこまで多くない。先日、友人に贈る出産祝いをフリマアプリで購入した女性は、自分が正しかったのかどうか、自問自答しているという。贈り物の価値観に関する悩ましい問題ついて、フリーライターの吉田みく氏がリポートする。
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私たちの生活の一部となりつつある、フリマアプリでの売買。欲しかった商品が安価で手に入ることが多く、筆者も頻繁に利用している。最近は、あまり着る機会のないセレモニー用の服や高価な美容家電は「フリマアプリで買えばいいや」と考えるようになった。しかし、購入する物によっては、フリマアプリの利用に賛否が分かれることがあるようだ。
都内在住の会社員・ケイコさん(仮名、34歳)が言う。
「先日、学生時代の友人・Aさんに第一子が生まれました。そのお祝いを購入しようとベビー服を販売するサイトを覗いたら、スタイ(よだれかけ)や靴下など小物の場合でも、おしゃれなギフトセットだと価格は5000円近く……。大切な友人なのでケチりたくない気持ちはあるものの、正直高いなって思いました。
30代にもなると、贈り物のセンスをお互い意識するようになるので、理想はおしゃれなブランド物を贈りたいところですが、やっぱり金額で躊躇してしまいます。そこで思い付いたのが、フリマアプリで未使用のギフト品を探すことでした」(ケイコさん、以下同)
ケイコさんがフリマアプリで出産祝いを探すにあたり気を付けたのは、未使用・未開封であること。「5000円相当のギフトが3000円くらいで手に入るといいなと思っていました」という。
「私が探していたブランドの新品未使用ギフトセットは売り切れ表示が付いている出品ばかり。ギフト目的でフリマアプリを利用する人が結構多いことに気付きました。それでも頑張って探したら、定価5000円のギフトセットを送料込み2500円で買えたんです。手提げ袋が付いていなかったので、袋だけ別の出品者から300円で購入。トータルでも予算内に収められたので、私としては大満足でした」
新品と比べて2000円程度の違いとはいえ、ケイコさんがシビアにこだわるのには理由がある。それはケイコさんが非正規雇用の会社員で、時給制のため、月の収入が20万円を切る生活を続けているからだ。衣食住だけでいっぱいいっぱいのため、友人のお祝い事にお金を使う余裕などないのが正直なところだという。