日本大学のアメリカンフットボール部員が違法薬物を所持し逮捕された事件を受けて、記者会見を開いたのが、同大学理事長の林真理子氏だった。『女性セブン』の名物ライター“オバ記者”こと野原広子さんが、事件と会見について綴る。
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日本大学の違法薬物事件。学生から逮捕者が出たのが8月5日で記者会見が8日。
約2時間におよぶ記者会見はリアルタイムで見た。林真理子さんが同大の理事長に就任して約1年。その感想を「改革は6合目まできている」とおっしゃられていた。なのにその1か月後に、不祥事のお詫び会見となった。どんなお気持ちだろう。
「学生が逮捕されたことは大変遺憾であり、理事長として深く受け止めている。説明に時間を要したことも心から深くお詫び申し上げます」
そう言って体を二つに折るようにした林さん。数々の講演会などで人前で話すことには慣れているはずだけど、お詫び会見は初めてではないかしら。
林さんは「お飾りの理事長」という報道がされたことを「とても残念」としたし、多くの人はそう言って非難したよ。でも私はそう思わない。
だいたい、日本中に数多ある大学の理事長の名前、何人言える? 現役の大学生だって、「興味ない」「知らない」だよ。
「お飾り」と言えば、神輿の上に座っているだけの人みたいだけど、大学の顔であることに変わりない。つまり、何かあったら林さんが顔を出してターゲットになるということよ。それを承知で林さんはその席に座った。地位も名誉もある60代の女性が、あえて火中の栗を拾いに行った。こんなに同世代の人を励ますこともないんじゃないかしら。
会見のもうひとりの主役が澤田康広副学長。競技スポーツ担当で事件の経過を誰よりも知っているはずだから質問が集中するのは当然だけど、その回答の内容がちっとも頭に入らないんだわ。
前職が検事とわかって納得したけれど、「パケ」「カス」「ブツ」ってVシネマ? ヤバい専門用語を連呼しながら、どんどん高圧的な口調になっていったの。