インボイスを発行できないと取引から排除される可能性があるため、免税業者は登録=課税を選択するか迫られる。政府は「課税の公平」を名目に、免税業者を減らしていく狙いだ。経済ジャーナリストの荻原博子氏が指摘する。
「一番影響が大きいのは売り上げが小さい事業者。年商300万円でその半分が仕入れ経費という個人商店や自営業者の場合、消費税を納めなければならなくなると手取りが年15万円も減る。
本来、免税措置はそうした零細事業者の救済のために定められているものです。『課税の公平』というなら免税制度を廃止するのが筋だが、それでは批判を浴びるからインボイスというややこしい仕組みをつくって免税業者に半強制的に消費税を納めさせようとしている」
※週刊ポスト2023年9月8日号