「着替えや靴を履き替える必要がないという手軽さが嬉しいですね。他の利用客も、自分を含めてジム初心者が多いというのもハードルが低くてありがたいです。プロテイン片手に本気(ガチ)でトレーニングしている人たちの隣で運動するのは気が引けてしまうので……。最近では会社の近くにも出店してくれたのでより通いやすくなりました」
こう語るAさんは、1つのマシンで「音楽1曲分くらい、だいたい4~5分」トレーニングし、1回行くと4つ前後のマシンで運動して、20分ほど滞在するそうだ。実際、RIZAPグループが8月21日に公開した調査データによると、利用客の運動時間は1台のマシンあたり「4.8分」とされている。また、男性会員の4人に1人が「セルフエステ・セルフ脱毛」を利用しているという(セルフエステ・セルフ脱毛マシンは一部店舗に設置)。“筋トレガチ勢”と棲み分けするかたちで、ユーザーのニーズに答えているようだ。
こうしてうなぎ登りに増えている会員数だが、気になるのはそのビジネスモデルだ。運営側にとって利益は出るのだろうか。
直近の決算は純損失33億円超
RIZAPグループが8月14日に発表した2024年3月期第1四半期(2023年4~6月期)決算によると、売上高は387億2500万円(前年同期比2.6%増)。「chocoZAP」を含むRIZAP事業が好調に伸びていることで、既存事業や事業譲渡などで生じた減収をカバーしている現状だ。一方で、「chocoZAP」の店舗拡大、広告・販促への投資がかさみ、営業損失は28億6400万円(前年同期は2億8600万円)。純損失は33億2500万円(同8億6200万円)となっている。
それでも、同グループは出店について強気な姿勢を崩さない。2025年3月期には「chocoZAP」事業を含むRIZAP関連事業が黒字に転じると見込んでいる。前出・森永氏はこう語る。