藤川里絵「さあ、投資を始めよう!」

株式市場の「ストップ高・ストップ安」の役割は? 前日の終値で変わってくる値幅制限のルール

ストップ高・ストップ安の役割

 通常、とくに何も材料がなければ、ストップ高やストップ安にはなりません。極端にポジティブなニュースや、逆にネガティブなニュースがあった場合に株価が異常に動きストップ高、ストップ安となります。とくに起こりやすいのは決算発表翌日です。直近だと、8月14日に346社の決算発表がありましたが、その翌日の8月15日は27社がストップ安となりました。

 株価は投資家心理で大きく動きます。決算が悪くて多くの投資家が投げ売りすると、それを見た投資家がさらに怖くなって投げ売りし、売りが売りを呼ぶパニック状態となります。ところがその日の下げ止まりの株価が決まっていれば、底なしに株価が下がるという恐怖心は和らぎます。つまり、ストップ安・ストップ高は、投資家が冷静さを取り戻すためのしくみと言えます。

 ちなみにアメリカには値幅制限はありません。代わりに、一時的に株取引を中断するサーキットブレーカーという制度があります。コロナショックで株価が暴落したときに、発動されたことは記憶に新しいですね。

2日連続ストップ高なら翌営業日の値幅制限は4倍に

 株の売買が行なわれず(出来高なし)に2日連続で「ストップ安」、もしくは「ストップ高」になった場合、値幅制限が規定の4倍に拡大されます

 たとえば、前日終値1000円だった場合、1日目ストップ高1300円、2日目ストップ高1600円、3日目は通常400円の制限値幅が4倍になるので、ストップ高は3200円となります。すこしややこしく感じますが、細かい内容まで覚えておく必要はありません。そういうルールがあることだけ、頭の片隅にあれば十分です。

 ストップ高やストップ安のように極端に株価が動いたときは、短期的にはその反動で反対に株価が動くことがよくあります。その辺りの株価のクセを知っていれば、感情に振り回されて売買することもなくなります。株式投資のルールを理解して、賢く売買しましょう。

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