早く食べなければならないというプレッシャー
PR会社勤務の30代女性・Bさんはラーメンが好きだが、ラーメン店での苦い思い出がある。
「普段から食べるのが遅いので、カウンターでさっと食べるというのが苦手です。一度お店のスタッフから『他のお客さん待ってるから』と言われて、慌てて残したまま退店したことがあります。食べている最中も“早く食べなくちゃ”というプレッシャーで味もよく覚えていないし、半泣きでした」
Bさんは元々ストレスを発散するためにラーメンを食べていたのに、いつしかストレスを感じるようになった。
「早く食べなければならないことがプレッシャーになり、ラーメンが好きなはずなのに、入店すると、お腹が痛くなるようになりました。最近は、ラーメンを食べたくなったら、昔ながらの中華料理店やフードコート系のお店でゆっくり食べています」(Bさん)
「一人なの?」とわざわざ言われることも
不動産会社勤務の20代女性・Cさんは、「最近は女性一人でも入りやすい店も多くなった」と前置きしたうえで、「それでも勇気がいる」と明かす。
「最近はおしゃれなラーメン店も多くて、女性が一人でも入りやすくなっているので、一人の女性客も見かけます。
それでも、入り口のところに『営業中』や『OPEN』ではなく、『勝負中』と表記されているとちょっと怖いし、従業員の接客の声が大きいと圧を感じて、やっぱり一人では入りにくい。入店できたとしても、『一人なの?』とわざわざ言われたり、隣で男性客同士が下世話な話で盛り上がっていたりして、自分が場違いだなと感じることが時々あります。
もちろん、そういう人が悪いとかじゃなくて、彼らにしたら、私のほうが『なんで来るんだよ』という感じなのかなと思うので、お店選びは慎重になりますね。そもそもラーメン店に女性一人で入るというのは、勇気がいる行為なんですけどね……」
こだわりのラーメン店が増えているだけに、その“個性”をよしとする人もいれば、そこに苦手意識やハードルの高さを感じる人もいるようだ。(了)