10月末時点における日本の米国債保有額は1兆1319億ドルとなり、中国の1兆1157億ドルを超え、世界最大となった(データは米財務省)。
日本は9月末と比べ45億ドル減少したものの、中国は413億ドル減少したことで、順位が逆転した。ちなみに第3位はアイルランドだが、2710億ドルに過ぎない。海外の保有額が6兆389億ドルなので、日本のシェアは18.7%、中国のシェアは18.5%である。両国で海外保有分の3分1以上を占めている。
日本の大手マスコミは、中国が米国債保有額を相対的に多く減らした理由について、為替介入によるドル売り・元買い介入の原資としたからだと説明しているが、いくつか気になる点がある。
まず一つ目は、アメリカの金利先高観が強まっており、債券価格の見通しは必ずしも良くない。特に、11月にトランプ氏が次期大統領に決定して以来、その選挙公約から債券価格見通しはさらに悪化している。こうした流れの中で、アメリカ国債を売っておくことは合理的な判断ともいえる。