手軽に不動産投資をする方法のひとつが「REIT(リート)」だ。REITは不動産投資信託のことで、投資家から集めた資金で不動産へ投資し、その収益(賃貸料収入や売却益)を投資家に分配する金融商品だ。少額から不動産投資ができるREITは、どのような仕組みで、いかに活用すればよいか。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第60回は、「REIT」について。
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不動産投資というと、ハードルが高いと感じる人は多いと思いますが、じつは少額で気軽にできる不動産投資法があります。最近では、マイホームを持たない選択をする人も増えてきましたが、分散投資のひとつとして不動産をポートフォリオに組み入れるのは有効とも言われます。そこで、気軽に不動産投資ができる方法を紹介します。
複数の不動産に分散投資をする金融商品
実物の不動産を買うには、それなりの資金と、値下がりしない物件を見極める知識と経験、物件を物色する時間と、数多くの条件をクリアしなくてはいけません。それらをすべて取っ払って、だれでも少額で気軽に売買できるのがREIT(リート)と呼ばれる金融商品です。
REITは、たくさんの投資家から集めたお金で、マンションやオフィスビル、商業施設などの不動産を購入し、賃料収入や売却益などを投資家に還元する投資信託の一種です。
REITの4つの特徴
【1】海外、日本どちらの不動産にも投資ができる
REITには海外の不動産に分散投資するものと、日本の物件だけに投資するものがあります。日本の証券市場に上場しているJ-REITの場合、ほとんどが後者になります。日本でマイホームなど不動産を保有しているなら、海外の不動産に投資するREITを選ぶ選択肢があるでしょう。賃貸派の方は、日本で家賃が上昇した場合のリスクヘッジとしてJ-REITをポートフォリオに組み入れるという方法もあります。
【2】分配金が受け取れる
REITが投資している物件からの家賃収入が投資家に分配金として還元されます。株の配当金のようなものです。ちなみにJ-REITの平均分配金の利回りは4.1%です。東証プライムの上場企業の平均利回りが2.2%程度なので、高配当投資としてもおもしろいと思います。