藤川里絵「さあ、投資を始めよう!」

手軽に不動産投資ができる「REIT」を資産運用にどう活用するか 高配当投資やインフレ対策にも

【3】株や債券と異なる値動きをする

 REITが保有する物件の価格が値上がりすれば、REITそのものの価額も上昇するので値上がり益を取ることができます。ただし、実物不動産とちがって流動性が高いため、「○○ショック」のようなことがあれば、実物不動産の価格と関係なくREITが売られて大きく価額が下がることもあります。実際、コロナショックのときは、日経平均株価以上に値下がりしてしまいました。

 ただし、普通の金融環境では、株と同じように動いたり、債券のように動いたりと不規則に動くので、ポートフォリオ全体のリスクを抑えるために便利な商品です。

【4】少額から分散・積み立て投資ができる

 株や債券の投資信託と同様、少額から購入できるので、NISA(少額投資非課税制度)を使って積立投資するのにも向いています。分配金を再投資すれば、複利効果も得られ、効率よく資産運用ができます。

REITの選び方

 REITには、オフィス・マンション、物流、商業施設、インフラ、ホテルなどいろいろなものに投資することができます。コロナショック後は、オフィスや商業施設、ホテルに投資をするREITは大きく値下がりしましたが、逆に物流に投資をするREITは堅調でした。つまり選ぶREITによって成績が変わってしまうのですが、今後どうなるかは分かりません。そこで、注目したいのは、東証REIT指数やS&P グローバルREIT指数など、不動産インデックスと連動する投資信託やETF(上場投資信託)です。幅広く分散投資をしていて、手数料も安く設定されているので長期投資に向いています。

 ここのところ日本でも物価が上昇しており、そろそろ金融緩和が終焉を迎えるのではないかと言われています。世界でもマイナス金利を継続している国は日本だけなので、いずれ金利は引き上げられることでしょう。

 金利が上昇すると、ローンが組みづらくなるので不動産セクターには不利と考えられています。一方で、物価が上昇すると、不動産価格も上昇するので、多少金利が上昇したとしても、不動産を買っておこうと考える人は増えます。金利が上昇するといっても、諸外国に比べれば、日本はまだまだ低金利ですので、不動産投資の魅力は大きいと思います。インフレ対策としても、REITのポテンシャルはまだまだありそうです。

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