ただ、今後、同様の動きが広がっていくのかについては、「事務所の力が強いと言われる日本の芸能界において、事務所に所属しているタレントとの個人契約は実現性にも疑問があり、追随する企業は少ないのでは」(報道対策アドバイザーの窪田順生氏)という見方もある。
ジャニーズ所属タレントの広告起用は、事務所自身が抜本的に対応しないとその道が閉ざされかねないということだ。
同事務所は9月19日、公式ホームページで被害補償の具体的内容や「社名変更」などについて方針を固めたとする内容を発表。具体的には10月2日に報告する予定だという。
ジャニーズ事務所に今後の対応について聞くと、「詳細は控えさせていただきますが、各企業のみなさまとご相談させていただいております」と回答した。
企業側が雪崩を打って「起用見送り」を表明したことについて、性犯罪問題に詳しい上谷さくら弁護士はこう言う。
「ジャニーズの性加害に加担した責任を問われないよう、タレントを悪者にして保身に走っているように感じる。まずは企業自らの責任を検証するのが筋ではないか」
問題は日本企業全体に広がりつつある。
(了。前編から読む)
※週刊ポスト2023年10月6・13日号