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大好きな作品のエンディングを直視できない人たち ドハマリした『VIVANT』も最終回だけスルーしたワケ

大人気ドラマ『VIVANT』(インスタグラムより)

大人気ドラマ『VIVANT』(インスタグラムより)

ゲームクリア後の虚脱感を味わうのはもう嫌だ

 大好きなゲームの明確なエンディングを目の前にして、それを拒否したのはフリー編集者のFさん(40代/男性)だ。

「今から30年ぐらい前の話ですが、『ドラゴンクエストV』のラスボスまで進んだ時、ゲームが終わってしまうのがイヤで、そこでリセットして最初からやり直しました。

 周りの友人から聞いてラスボスやエンディングがどんな感じなのかはだいたい分かっていましたが、それまでのドラクエシリーズでは、常にクリアした後に激しい虚脱感に襲われていたので、再びそれを味わうプレッシャーに耐えられなかったんです。結局クリアしたのかどうか覚えていませんが、多分クリアしないままだったんじゃないかと」(Fさん)

 FさんはTVゲーム関連の仕事を手掛けたこともあるが、ゲーム開発者にそのエピソードを話すと、『ゲーム開発者冥利に尽きます』と感動されたという。

『ドラクエ』はクリアするまで数十時間を要するが、足掛け数十年にわたった作品が完結を迎えるにあたり、それを拒否したのはIさん(50代/男性)だ。

「大学時代、友人に勧められてドハマりしたのが宮本輝の『流転の海』。文庫で1冊あたり400ページ以上あって、当時すでに4~5冊発表されていましたが、瞬く間に全部読んでしまい、その後も新作が出るたびに即購入していました。

 しかし2018年、完結作が発表されたと知ると、結末を知りたいような、知りたくないような気分になってしまい……。いつのことになるか分かりませんが、“老後にもう1回、1巻からゆっくり読もう”と、楽しみにとってあります」(Iさん)

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