投資初心者はインデックスの積立投資から
これまでのNISAであった「つみたてNISA」と「一般NISA」は、新しいNISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」になり、「つみたて投資枠」は年間最大120万円、「成長投資枠」は年間最大240万円投資できる。
「つみたて投資枠で購入できる対象は積み立てに適した一定の投資信託で、成長投資枠で購入できる対象は上場株式や投資信託など。コツコツ積み立てをしながら、好きなときに成長投資枠で株式を購入するといったことが可能になります。
ただ、上がりそうな銘柄を予測して投資する個別株投資は、大きなリターンを狙える一方でリスクもそれなりに存在します。特に、株式市場は投資のプロも参加するマーケット。投資の初心者が個別企業を分析して、その中から上がる銘柄を発掘するのはなかなか難しいものです。しかも、今後数十年にわたって、上昇する銘柄を当て続けることは投資のプロでも困難です。
では、初心者はどのような銘柄に投資するのがいいのでしょうか。注目したいのは、『日経平均株価』や『NYダウ』、『S&P500』といったインデックスへの投資です」
インデックスとは、株式市場などの全体的な動きを示す指標のこと。複数の銘柄で構成されているため、インデックスに連動する投資信託を購入することで分散投資の効果も得られる。
「個別株のダイナミックな値動きは短期投資においてはとても魅力的ですが、長期投資においては、実はインデックスでの運用が有利とされています。ちなみに、NYダウは多少の変動はあるものの、長期的には上昇トレンドが継続しています。少なくともこれまでNYダウに長期的に投資してきた投資家が大きなリターンを上げてきたのは事実です」
投資初心者や、仕事などで相場の動きを常に見られない人は、「NISAではまずは積立投資をするのがいい」と福島氏は話す。
「毎月コツコツ同じ金融商品を一定額で購入していく積立投資。一見、地味な投資手法ですが、この積立投資こそ“最強説”があるのをご存じでしょうか。積立投資のメリットは、ドルコスト平均法によって、購入単価が平均化されること。これを我慢強く続けていくことで、長期にわたって安定したリターンが期待できます。
過去には、リーマンショックやコロナショックといった株式市場の急落局面がありました。目の前の株価がみるみるうちに下がっていくのですから、投資家としては心中穏やかではいられません。
『こんなに下がっているのだから怖くて買えない』という気持ちもわかりますが、ここで投資を中断してしまっては意味がありません。積立投資では、株価が低いときほどたくさん購入できるので、むしろここはチャンスと捉えるべきなのです」