万病の元と言われることも多いのが、歯の病気。すでに虫歯は治療済みだと思って安心するのは少々危険だ。虫歯治療で歯を削ったときに、保険診療で銀歯の治療をしている人は注意が必要だという。大阪中之島デンタルクリニック院長で歯科医師の山本彰美さんが解説する。
「以前、歯科治療のひとつとして虫歯を除去した後の詰め物にアマルガムという銀歯が使われていました。これには水銀が使われており、口内炎、アトピー性皮膚炎、めまい、免疫性疾患、頭痛などを引き起こす危険性があるということで、2016年以降、保険診療では使われなくなっています。
2016年より前に虫歯治療で銀歯の詰め物をしている人は、すぐに歯科医に相談しましょう」(山本さん・以下同)
自由診療のメリット
歯科医院から足が遠ざかる原因として、「痛い以外に、治療にかかる日数と回数の多さもある」と、山本さんは指摘する。
「歯科治療は1回では終わらず、1本の歯の治療でも複数回に分けて行われます。保険診療の場合は、1回でできる時間が限られており、かけられて15~30分程度。複数の歯を治療する場合は30回ほどかかるため、治療期間が1~2年になることもザラです。
そうなると忍耐力が必要で、時間もかかるため、『仮歯のままで不便を感じないからこのままでいいかな』などと、治療を途中でやめてしまう人もいます。そうなると歯の状態がさらに悪くなってしまいます」