18年ぶりの「アレ」によって、阪神グッズが売れに売れている。甲子園球場前には「ALPS」と「DUGOUT」という公式ショップが並び、数百点のタイガースグッズが販売されているが、試合がない平日にも行列ができるほどの人気だ。実は、こうした虎グッズを数多く製造販売する企業がほんの数年前、経営の危機に直面していた──。
阪神のリーグ制覇による“経済効果”は凄まじい勢いを見せている。9月24日から大阪・梅田駅前の阪神百貨店でリーグ優勝のオリジナルグッズを販売したところ、開店前から2800人が並び、最大9時間待ちとなった。
レプリカユニフォーム、応援タオル、キャップからお掃除ロボ、クロスバイクまで約1000アイテムあるともいわれる阪神グッズ。現場の販売員はこう話す。
「売れているのは近本(光司)選手、森下(翔太)選手、中野(拓夢)選手の順ですかね。あと人気があるのが岡田(彰布)監督のグッズ。特にチームスローガンの“アレ”関連が売れています」
阪神のホームとビジターのユニフォームを製造するのはスポーツメーカーのミズノ。売れ筋のレプリカユニフォームやキャップはミズノ製になるし、Tシャツや応援タオルもミズノが手掛ける。ある納入業者の社員は「ミズノさんのひとり勝ち状態です」と話す。
「もともと、甲子園球場の阪神グッズや高校野球グッズの多くを手掛けてきたのが神戸市東灘区に本社を置く『シャープ産業』です。メガホンや選手名入りTシャツ、小物を製造販売し、野村(克也)監督、星野(仙一)監督時代に阪神グッズの売り上げ伸張で大きく業績を伸ばしたが、18年間の低迷で業績が悪化。2020年にミズノが子会社化しており、現在の社長はミズノからの出向者です。今年の優勝でグッズはバカ売れ状態。仮にあと3年早く優勝していたら、子会社化はなかったでしょうね」(同前)