食器を使わない“ツナごはん”
ただしAさんは、そんなソーセージ丼について基本的に他人に話すことはない。
「以前友人と自炊の話になった時、ソーセージ丼を作って食べていることを話したら、“貧乏くさい”と言われ、なんだか心配されてしまいました。自分では満足しているのに他人に何か言われるのは面倒なので、それ以来ひっそり食べることにしています」(Aさん)
Aさんのように、自分なりの“他人に言えない貧乏飯”がある人は案外少なくない。神奈川県在住の会社員・Bさん(30代男性)は、超シンプルな“ツナごはん”を頻繁に食べている。
「パックご飯を電子レンジで温めて、そのうえにツナ缶をのせ、たっぷりのマヨネーズと少しの醤油をかけるだけ。朝ごはんにしたり、夜食にしたり、家で1人でいるときはしょっちゅう食べています」(Bさん)
子供の頃からツナとマヨネーズが大好きだったBさん。しかし、当時の食卓に“ツナごはん”が出てくることはなかった。
「母がすごく料理好きで、毎日手の込んだメニューを作ってくれていたんです。“ツナごはん”を自分で作って食べていたら、あまり行儀が良いものではないということでいい顔をされず、実家では封印していました。
ひとり暮らしを始めて念願の“ツナごはん”を作るようになり、そこからはすっかり定番です。器も使わず、後片付けの手間がないのもいい。ツナ缶はスーパーで安売りしている時にまとめ買いしています。おいしいうえに節約にもなる。ただ母親には、ツナごはんを食べているとは言えないですね」(Bさん)