10月に入り、マーケットが乱高下している。日本株の弱さが目立つ局面もあったが、どういった要因が株価を押し下げているのだろうか。個人投資家・投資系YouTuberの森口亮さんによる、シリーズ「まるわかり市況分析」。森口さんが海外投資家の動きに注目して日本株の行く末を分析し、解説する。
* * *
10月相場に入り、マーケットが上下に大きく揺さぶられています。特に一時的な日本株の弱さが目立ち、日経平均株価は9月15日につけた直近高値から10月4日につけた安値まで、12営業日で3146.64円下落しています。その一方で、「9月は1年の中で最も軟調で、10月から年末までは株高につながりやすい」とのアノマリーも存在します。
今回はその鍵を握るであろう海外投資家の売買動向について考察していきます。
日本株の高値は誰が主要な買い手だったのか
9月前半はTOPIXが年初来高値を更新するなど、日本の株式市場は33年ぶりの高値更新に沸いていました。しかし、詳しく見ると、TOPIXだけが上昇しており、日経平均の年初来高値は6月19日。すでに4ヶ月近く年初来高値を更新していませんでした。
このTOPIXの高値更新と日経平均株価の動きの違いの背景には何があるのでしょうか。
TOPIXは東証プライムの全銘柄の時価総額の加重平均を反映している一方で、日経平均は日本経済新聞社が選んだ225社の株価の平均で計算されていて、ファーストリテイリングや東京エレクトロンのような値がさ株の影響をより大きく受ける傾向が強いです。そしてこの動きの差異には、海外投資家の売買動向の変化が背後にあると考えられます。