社会では男女平等が叫ばれつつも現実は──女性が家事、育児、介護を主導し、仕事もこなしている。そんな理不尽な状況に、何もかも放り出して逃げ出したい女性たちがひととき身を寄せるところとして、意外な場所が注目を集めている。「ビジネスホテル(以下ビジホ)に女性客が増えています」とは、ホテル評論家の瀧澤信秋さん。実際に女性たちはどんな感想を持ったのか、最新事情を探った。
多様化するサービス、平日がおすすめ
「一般的なホテルと違い、ビジホは“宿泊(眠ること)”に特化しており、施設内には結婚式場などそれ以外の目的の施設はありません。眠れて朝食が食べられればいいと、コンセプトがシンプル。ですから、寝具と朝食にこだわったビジホが多いのが特徴です」(瀧澤さん・以下同)
とはいえ、需要が増えたことでサービスも多様化。従来のイメージ通りの簡便さや機能性を重視したローコストタイプと、浴場やラウンジなどの付帯設備も充実したハイクラスタイプに分かれるという。
「前者で代表的なのは、東横INNグループで、ほぼ1万円以下で宿泊が可能です。後者で代表的なのは、ドーミーインやカンデオホテルズなど。こちらはだいたい1万~2万円の範囲内で泊まれます」
ほかにも、宿泊客同士の交流スペースがあったり、アート作品が楽しめるなど、コンセプト型も増えたという。
「コロナ禍以降、女性のひとり客が増え、ビジホもアメニティーや朝食に注力した女性客向けのプランを積極的に打ち出すようになりました」
特に平日は安価料金を設定しているビジホが多いのでおすすめだという。では、以下、実際に利用した女性たちのリアルな声を紹介しよう。