キャリア

定年後にITコーディネータ資格を取得した大手メーカー元社員「雇用延長を選んだ同期より収入が増えた」

今では5社のコンサルタントに

 中小企業とシステム販売会社の間に入り、新たなシステム導入の推進・支援を担う専門家である「ITコーディネータ」の資格があれば、自身の経験と合わせてニーズがあるのではないか。そう考えた野毛さんは資格取得を目指して勉強を始めた。

 ただ、野毛さんは理系とはいえデジタル分野に詳しいわけではなかった。

「勉強を始めたのが61歳で、パソコンも得意ではなく記憶力や集中力が若い頃より低下しています。情報セキュリティなど新しく覚えることも多くて大変でした」

 20~40代の受験者に交じっての研修などもあったが、物怖じせず参加し、「わからないことを聞けて実りが大きかった」と話す野毛さんは、2022年4月に資格を取得した。

 今では5社のコンサルタントを務め、収入も増えたという。

「雇用延長を選択した同期よりも稼げるようになりました。“シニアはIT分野に疎い”と思われがちなので、その弱点を克服することで差別化にもなります」

 弱点を見極め、積極的に苦手な分野に挑戦することが功を奏したのだ。

※週刊ポスト2023年10月27日・11月3日号

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