定年後も働き続けたい人にとって、運転免許は強い味方となる。60歳以上を中心に仕事を紹介する人材派遣会社「高齢社」の村関不三夫氏が語る。
「歳をとってから再就職やアルバイトを探すうえで、免許を持っていることで有利になったり、選択肢が広がったりします。それによって負担の軽い仕事を見つけられるケースもあります」
その一例が運転補助である。
「簡単に言うと、ほとんど助手席に乗っていればよいだけの仕事です。住宅施設のメンテナンス関連の仕事などで修理者と共に現場に出向く際、時間に追われているのに、付近に駐車スペースがない場合がある。そうした時に、運転する修理者だけ降ろして代わりに車を移動したり駐めたりします。時給は1100円ほど。非常に人気のある仕事で、弊社で紹介した最高齢は74歳です」(村関氏)
たとえ短時間の運転であっても、免許は必須となる。そのためハンドルを握れる人は重宝されるのだ。
「車関連のアルバイトでは同様の需要があります。たとえばレンタカー店業務は、受付などフロント業務に加え、車の入出庫の作業があるので、運転可能な人でないと職に就けません。一方で移動距離は非常に短いため、ご年配の方におすすめで、時給1000円程度です。
また、募集数は少ないですが、似たような仕事に水素ステーション業務があります。ステーション内にある車を移動させないといけない場合があるので、免許があったほうが採用されやすくなるでしょう」(同前)
運転がメインの業務となるが、歳をとってからでも安心してできそうな職種もある。村関氏が語る。
「毎日、同じルートを走るだけのルート運転は、ご年配の方にも向いている仕事です。現在、弊社では扱っていないですが、デイサービスの送り迎えなどがこれに該当します。時給は1100円程度が相場です」