「ほったらかし」も可能
新NISAで積み立て投資を始めるにあたり、自分のライフプランと照らし合わせて、いつまでにいくら必要かを考えることが非常に重要だ。
「そのうえでリスクは高くてもリターンが望める『株式型』か、もう少しリスクを抑えた『バランス型(株式重視)』、さらに守りを固めた『バランス型(債券重視)』にするかを検討するといいでしょう」(藤川氏、以下同)
まず国内外の株式で運用する「株式型」は、30代、40代で運用期間が長く取れる人に加え、中高年以上でも投資経験者なら狙う手がある。
「投資経験のある中級者以上なら、つみたてで『株式型』の投信を選ぶだけでなく、新NISAの『成長投資枠』も使って、つみたての対象ではない投信を組み合わせ、自らポートフォリオを組んでいくのもいいと思います」
株式を50~80%、債券を20~50%の割合で組み入れた「バランス型(株式重視)」は、基本的に万人向けといえる。
「株式でリターンを求めつつ、債券でリスクを抑える株式重視のバランス型でも、元本割れリスクは低くない。仮に損失を抱えても積み立て運用が継続できるように、夫婦共働きなど比較的家計に余裕がある人に向いていると思います」
より安定的な運用が見込めるように債券の割合を50?70%に高めた「バランス型(債券重視)」は、手持ち資金が少ない人に向いているという。
「運用に回せる資金が少ないと一発逆転を狙って『株式型』に目を向けがちですが、それよりも少ない資金をいかに減らさないかを重視すべき。妻が専業主婦で稼ぎ手が自分だけだったり、リタイア間近の人などは、インフレリスクをカバーできるくらいの2~3%のリターンを目安に考えてほしい。また、相場に一喜一憂して不安で眠れなくなるような人も、リスクを減らすことを第一に考えるべきでしょう」
多少リターンが見劣りしても、リスクが抑えられるので「ほったらかし」にしやすいのだという。
なお、新NISAも1人1口座しか開けないのは現行と同様。証券会社や銀行でマイナンバーカードや免許証など、本人確認書類を添えて申し込めば、税務署の審査・承認を経て数日間で口座が開設できる。