キャリア

ほとんどの高齢者は「シニア料金」では動かない 多くの企業がシニアビジネスで見落としていること

 なかには、「大前さんみたいに全国をオートバイで旅したい」という人もいますが、やめてください。60歳を過ぎてからオートバイ免許を取ってツーリングを始めるのは危ないので、やるなら50代以前からやっていただきたい。

 今は、プレシニア市場に「空白地帯」があるので、その世代をうまく取り込んで、もっと盛り上げるビジネスがあればいいと思います。

 さらに、60代以降で仕事もでき、自立して動ける「アクティブシニア」のセグメントも非常に大きな市場が見込めるのに、まだ今のところ彼らのニーズを満たすビジネスが提案できていないと感じます。

 介護支援を受けているケアシニア、あるいはパッシブシニアと呼ばれるセグメントや、エンディング市場などは今も様々な新サービスが増えているので、そこに至るまでのプレシニアとアクティブシニア向けのビジネスをどう開拓していくかが次のテーマになります。

「プレシニア」「アクティブシニア」へのアプローチ

 プレシニアへのアプローチは「人生の後半にどう備えるべきか」ということです。

 私が『50代からの選択』という本で書いたのは、50歳までに社長になる見込みがないのであれば、もう会社に籍を置けるのはせいぜい10年から15年。むしろ、それから定年退職した後の人生のほうが長くて20年以上続く可能性があるので、それに備えて「第2の人生」を充実させる準備を進めなさい、ということでした。

 そこで提案したいのは、「人生のバランスシート(B/S)」を作成することです。預貯金や積み立て型の保険、株・投資信託や自宅の評価額を左側に書き出します。そして、住宅ローンや車のローン、そのほか負債をまとめて右側に書きます。

 そこから見えてくるのは、多くの人の場合、「案外余裕がある老後」です。50代でこれが見えていれば、定年後は退職金が入ってきて、ローンの支払いも終わるので、さらに「老後に自由に使えるお金」が見えてくるはずです。それをどう使い、どう活かしていくかを提案するビジネスが求められます。

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