同僚の多くは60歳以降に雇用延長の道を選んだが、草場さんは独立する決心を固めた。
「当時を振り返ると、コーチングに救われた思いもあり、自分もその資格を取って恩返ししたいと考えるようになりました」
59歳で民間のコーチング学校に通い始め、60歳で認定を受けた草場さんは、並行して企業向けのセミナーで講演したり、キャリアに悩む後輩の話を聞いたりするうちに、シニアの課題の多くは「お金」と「再就職」にあると気づき、61歳でファイナンシャルプランナー2級を取得。現在はキャリアコンサルタントの資格に挑戦中だ。
「忙しい毎日ですが、家族からは会社を辞めてからのほうが表情が明るくなったと言われます(笑)」
※週刊ポスト2023年10月27日・11月3日号