読者組織は約3000人
さらに、「ハルトモ」と呼ばれる約3000人の読者組織があって、年間200以上のアンケートやインタビューをしているそうです。この「ハルトモ」を通じて、読者が何を求めているのかということを知って、それを企画に活かしています。
面白いのは、商品開発に自分たちで作ったトルソー(胴体モデル)を使っていることです。頭から足の先まである理想的な体型のマネキンに着せるのではなく、協力してくれた読者345人の体型を3次元で計って、よりリアルなシニア女性のトルソーを作り、それに合ったアパレルを作るというやり方なんですね。
今や雑誌はテレビにやられて、ネットにやられて、広告が入らないんです。でも、『ハルメク』はそうした独自のやり方で、過去5年で定期購読者数を3倍以上に増やし、女性誌では49.4万部(2022年下半期)で1位を独走しています。
シニアビジネスを考える上でも、この取り組みはとても参考になると思います。
日本のシニアは「異性の友人」がいない
『ハルメク』以外で、注目のシニアビジネスにはどのようなものがあるでしょうか。シニア市場の開拓という点では、人と人をつなぐ交流支援のサービスも台頭してきています。
実は、日本のシニアは人間関係とか交友関係ということでは、問題が多いんです。家族以外に、親しい友人がいるかどうか、それは同性か異性かという調査があるのですが、欧米とは著しい差があります。