痛手だった「歌舞伎町」店舗の契約満了
岩本氏から経営権を譲り受けた都内のコンサルティング会社の社長に閉店の理由を聞いたところ、明確な回答を避けた。一方、同社取締役の1人に電話をすると「岩本氏の体調不良を理由に、3月に経営権を譲り受けたのは事実です」とした上で、閉店の理由についてこう語った。
「歌舞伎町店は、賃貸契約が終わりだったと聞いています。そこは我々に譲渡される前から決まっていたはずです。我々としても賃貸契約の継続を希望していましたが、あくまでビルの家主さんは『契約更新の考えはもとからないんだ』とのことでした。近隣で新しい店舗を探す話もありましたが、なかなか立地の良いところが見つかりませんでした」
この取締役によると、歌舞伎町店は「全体の数字を引っ張っていく店舗」だったという。全店舗で単月黒字を出すために必要な店舗だったが、家主の意向で閉店せざるをえず、大きな痛手となった。では、気になる「いわもとQ」の今後は……。
「あくまでも(社長ではなく)私の主観になりますけど、歌舞伎町店の閉店が全店閉店の理由として想定できると思っています。歌舞伎町店に代わるプラスを他の店舗で出せるのかというのが課題だったと聞いています。個人的には、店舗ごとに生き残らせることは可能じゃないかと思います。コロナも明けて数字は伸びるのではないでしょうか。統括で考えるのか、個別で考えるのか、社長の総合的な判断にはなりますが……」
創業者も困惑する今回の「全店閉店」騒動。多くのファンを抱える人気チェーンの行く末に今後も注目が集まる──。(了)