SNSで度々話題になる「アイラップ」をご存じだろうか。1976年発売の歴史ある「マチ付きポリ袋」で、冷凍・冷蔵保存はもちろん、電子レンジや湯せんで食材の温めが可能な便利アイテムだ。昭和から変わらぬレトロな三角型パッケージも特徴的。
そんな40年以上愛されてきたアイラップだが、全国的に知名度が上がったのはここ数年のこと。大躍進の裏にはやはりSNSの存在が大きいようだ。愛用者の声から人気の秘密を探るとともに、知られざる歴史について、アイラップ製造元の岩谷マテリアルに話を聞いた。
洗い物が減り省スペース化にも役立つ
メーカー勤務の30代女性・Aさんは、コロナ禍の巣ごもりで自炊が増えていた時期に知って以来、アイラップを愛用している。
「アイラップ公式Xの投稿やアイラップを使って作った料理や保存法を投稿する人から、その存在を知り使い始めました。おすすめのレシピはたくさんありますが、公式が投稿した“安いステーキ肉がまるでレストランの味に”というレシピを見て衝撃を受けました」
日常的にアイラップを使用するAさんは、そのメリットを「何役もこなせること」だと感じている。
「電子レンジや湯せんでの温めはもちろんのこと、下準備や保存でも大助かりです。混ぜる・揉み込む工程から冷蔵・冷凍保存で、ボールやタッパー、手袋を使わず、アイラップオンリーで済ませられるので、洗い物が減るし、省スペース化にも役立ちます。しかも、生ゴミを入れる袋もアイラップを使うので、オールインワンです。60枚入りが120円前後で買えるので1枚約2円というのもコスパが良いと感じています」(Aさん)
アイラップ炊飯で災害時に備える
IT企業勤務の20代男性・Bさんは、アイラップ好きの友人に教えてもらってから、日常的に使うようになった。
「アイラップ公式Xやアイラップを使ったレシピの投稿をよく探しています。私の定番は野菜の浅漬けと鳥むね肉の低温調理、それから冷蔵や冷凍の保存に使っています。アイラップを知ったのは、キャンプ好きの友人とキャンプに行ったことがきっかけ。友人は温めたいものをアイラップに入れてお湯の中に入れたり、アイラップに入りのお米を鍋に入れて炊飯したりしていて、こんな便利なものがあるのか、と驚きました。
友人はキャンプだけでなく災害時にも役立つと教えてくれました。その後、アイラップ公式さんが紹介していたアイラップ炊飯の方法を見て、非常時に備えて覚えておこうと思いました」