「アームレスト」が「アームサポート」に変わったワケ
とはいえ、かつての「痴呆症」と呼ばれた疾患が「認知症」に言い換えられるなど、言葉の捉え方は時代によって変わる。前出の田中氏は次のように説明する。
「たとえば車椅子の各部名称も変わってきています。かつては足を乗せる場所が『フットレスト』、手を乗せる場所を『アームレスト』と呼んでいましたが、現在は『フットサポート』『アームサポート』と言い換えられています」
レスト(REST)には「モノを置く台」という意味がある。この名称変更には、「車椅子を利用する人の足や手はモノではない」との含意があるのだろう。同じような発想の先に「よっこいしょ=虐待」という考え方があるのかもしれない。
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